イン・ハー・シューズ/IN HER SHOES


なかなかの評判なので、気になって観に行きました。

一言でいうと、仲良し姉妹の話です。


姉のローズ(トニ・コレット)は有能な弁護士だけど、

自分の外見にコンプレックスを持っている。

妹のマギー(キャメロン・ディアス)は美貌だけど職にもつかず、

難読症を患っていることから自信が持てない。

そんな姉妹の心のすれ違いや葛藤を見事に表現した映画です。

ストーリーはシンプルだけど、ちょっぴり切ない。

そしてまた泣ける。

わたしの隣に座っている女性がしくしく泣いてました。

わたしは泣かなかったけど、胸にしまった思いが流れ出ました。



わたしは長年、日本にいるので、

うちのことやママの面倒をみているのは妹です。

妹に苦労をかけるつもりはないけれど、

結果的に責任を押し付けたことでしょう。

家に不定期的に仕送りをしているとはいえ、

お姉ちゃんのわたしは、

妹に対して申し訳ない気持ちがずっと持っています。

妹は他にやりたいことがあるでしょう・・・・

もっと遊びたいだろうし、自分の人生を楽しみたいだろうけど、

家族思いが故にいろんなことを諦めたり、

我慢したりしてきたと思います。



妹はママのそばにいるから、安心して離れられるのですが、

やはり妹に甘えすぎたと、悔やむ気持ちです。

なので、妹がしたいこととか、ほしいものがあれば、

わたしの能力範囲内でできるなら(多少の無理でも)、

何でも買ってあげる、何でもすると決めました。

それはわたしの、妹への償いというか、感謝の気持ちというか、

もしかしてただの責任逃れした自分のエゴかもしれません。



うちのベイベはやさしい。

わたしが一時帰国するとき、必ず1日の休暇を取って、

「miaomiaoはどっか行きたい?」と、案内してくれます。



もう観た映画なのに、「もう一度観たいから」と言って、

一緒に付き合ってくれます。



わたしが帰宅するまでずっと起きて待ってくれるのです。
(ママでさえ眠ってしまうのに)




何年か前に、わたしは大変な問題にあって、妹が駆けつけてくれました。

そして、帰国する妹を空港まで見送ったあと、家に帰って

妹がわたしのためにつくって置いた麺(しかも鍋一つの量)をみた途端、泣き崩れました。

あの子、料理はほとんどしなかったのに。。。。


「絶対食べてね」のメッセージと一緒に、泣きながら食べました。




わたしのできることなら、何でもしてあげたい。
と、自分に誓いました。



あれから時間は滝のように流れ落ちていたけれど、

わたしたち姉妹、一緒にいたのはわずかの10年であることに気づいて愕然しました。

あの鍋の、山盛りになった麺と、

妹の「親愛的、至少還有我」(Dear, I'm here with you)の言葉が、

ずっとわたしの心にあります。


言わなかったことそして言えなかったことが沢山あります。

べいべ、 I'm here with you. ずっとずっと。